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03.05
Mon
楽天、ファーストリテイリングという二つの成長企業が、くしくも同じ2010年に打ち出した「英語の社内公用語化」。ついにここまで、と驚きをもって伝えられたニュースの「その後」を追った。日本企業に英語は定着する? しない?

「楽天を世界一のインターネットサービス企業にするため」として、三木谷浩史会長兼社長が「宣言」した英語の社内公用語化。10年に入った頃から役員会議でまず導入し、幹部会議、一般業務へと広げてきた。

 「かなりの社員が、すぐに音をあげるんじゃないか」。当初、人事部の英語化推進プロジェクトリーダー、葛城崇さん(40)はそう予想したが、取り越し苦労だった。ほどなく、部署によっては国際英語能力テスト「TOEIC」の個人スコアを張り出し競い合う、進学塾と見まがう光景が出現。「海外のグループ企業から外国人が研修に来ても接触を避けていた社員らが、我先に話しかけるようになり、即席の英会話レッスンのようだった」と葛城さん。「英語の方がフランクに(打ち解けて)話せていい」と話す社員もいるという。

 今では、ほぼ全ての会議とメール、社内用SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)への投稿も英語だ。社員は「Tommy」などニックネームの名札を付ける。三木谷社長が日本語で話すのを聞いたことがない新入社員もいる。

 「最初は、日本人同士なのに英語で話したり、上司をニックネームで呼ぶのが恥ずかしかった」と打ち明けるのは、サービス開発・運用部の技術者、篠原英治さん(32)だ。英語導入当初のTOEICは660点で「限られた範囲内では業務上のコミュニケーションができるレベル」。会議では日本語交じりにしたり、ホワイトボードに英単語を並べたりして意思疎通を図った。「日本人同士の方が、かえって文法の間違いが気になった。内気な人には日本語でしゃべってもらい、周囲が通訳したこともありました」と苦労を振り返る。

 一見、非効率なようだが、日本語だと長くなりがちな報告メールは短くなり、資料の翻訳も不要に。業務軽減の部分もあることが分かってきたという。

 先日は、社内食堂でうっかり総菜を取り過ぎ、スタッフの日本人女性に「ワンサービング(1人1杯)!」と叱られ、ここまで英語が“浸透”しているのかと驚いた(食堂スタッフは英語化の対象外)。今では海外出張先でも英語で議論できるようになった。「お酒の場でも英語の会話を楽しめるようになりたい」と意欲的だ。

 楽天は英語公用語化への正式移行を今年7月とするが、着々と進んでいるようだ。


 一方、ユニクロを展開するファーストリテイリング(柳井正会長兼社長)は、一足早い今月から「母語が異なる人が対象の資料や会議は英語」が必須になる。本社社員と店長の約3000人はTOEIC700点以上が義務化された。社内向け学習プログラムやTOEIC受験は「業務」と位置付けられ、不参加の社員に対しては「怠けている」として受験料などの返却を求める。楽天とは温度差があるものの、経歴アップに英語が欠かせないことに変わりはない。

 企業の英語化は約10年前、カルロス・ゴーン社長を迎えた日産自動車などが唱えて話題を呼んだが、日産は公用語とはせず、役員が出席する経営会議などだけを対象とした。とはいえ、日本でTOEICを運営する国際ビジネスコミュニケーション協会による上場企業329社の調査では、7割が英語コミュニケーション能力の必要性が高まっていると回答。TOEICのスコアを昇進・昇格の条件にしている企業は16.9%で増加傾向にある。

毎日新聞 3月3日(土)10時24分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120303-00000017-mai-bus_all
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